昔の写真

7才の頃だったでしょうか。
1978年フランスのノルマンディー地方の代表的な港町、
Honfleur(ホンフルール)にある、サント・カトリーヌ波止場
quai Sainte Catherineで撮られたこの一枚が、
一昨日僕の前に現れた。

今は何年ぶりに生まれ育ったワシントンの家に泊まっているが、
母が突然に、どこから掘り出したか知らないが、
昔の写真を見せてくれた。


全部で20枚ぐらいあったが、
幼児時代に撮ったもので、
お風呂の時、はいはいしている時、食べている時など
よくあるパターンの写真が殆どで、
いずれもおぼろげな記憶があったけど、
この中にはまったく覚えのない一枚が紛れ込んでいた。
その写真はこれ。


まったく見覚えのない自分の昔の写真を見るというのは、
自分が分離して、二つに分かれた気分になる。


過去の自分。
そして、27年間の年月を経て写真を見つめている、
今の自分。


その少年は何を見つめているんだろう。
微笑んでいるのか、
それとも風が顔に当たって不愉快に思っているだけだろうか。
何を考えているだろうか。
いずれも今の僕には、答えられない質問だ。
だから、この日記を読んでいるあなたに聞きたい。